加齢黄斑変性とは
『加齢黄斑変性症』とは、網膜の中心にある「黄斑」が加齢性変化に伴って変性する病気です。『加齢黄斑変性症』には「萎縮型」と「滲出型」の2種類があり、「萎縮型」の場合は定期な検査、「滲出型」は薬物注射などの治療を行います。
●萎縮型加齢黄斑変性症の場合:「中心部がゆがんで見える・見えなくなる」「視力の低下」などの自覚症状が現れます。ゆっくりと病状が進行していくのが「萎縮型」の特徴で、原因としては加齢にともない網膜色素上皮という黄斑の一部の組織が萎縮していき、網膜が傷害されていきます。しかし、残念ながら現在「萎縮型」の『加齢黄斑変性症』に有効な治療方法はありません。「萎縮型」は「滲出型」に移行する可能性があるため、定期的な検査は必要です。
●滲出型加齢黄斑変性症の場合:「萎縮型」とは違い、「滲出型」は比較的急速に視力が低下していきます。最近急に視野の真ん中が見えなくなった、あるいは文字や人の顔がゆがんで見えるという自覚がある方は『滲出型加齢黄斑変性症』の可能性があります。「滲出型」は網膜の下にある脈絡膜から異常な血管(脈絡膜新生血管)が生じ、その異常血管が破れることにより血液中の成分や赤血球が網膜の下に漏れ出し、網膜にある視細胞を傷める病気です。一般的な治療として、脈絡膜新生血管の成長を抑えるための薬を眼内に注射します。この治療方法は最初に3回(1ヶ月毎)注射をして、その後は様子を見ながら追加していきます。
出血が多いなど 障害が重度であればあるほど、また発症してからの経過が長ければ長いほど、網膜のダメージは大きく視機能の回復も難しくなりますので、できるだけ早期に発見し早期に治療を開始することが望ましいと言えます。また、定期的な経過観察や治療を継続することで病状の進行を抑えることも重要です。「真ん中がゆがむ」「中心部が見づらくなった」という自覚症状がある場合は、早めに眼科で診察を受けられることをお勧めします。