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多焦点眼内レンズによる白内障手術

現在、白内障手術で使用されている眼内レンズは「単焦点眼内レンズ」といい、遠くなら遠くだけ、近くなら近くだけ…という様に、1つの距離に焦点を合わせたレンズです。
白内障手術後は濁りがなくなるため、明るく見やすくなりますが、1つの距離にしか焦点が合わないため、例えば、手元の文字も遠くの景色も両方くっきり見える、という訳ではありません。

ピントを遠くに合せて手術を行った場合

ピントを遠くに合せて手術を行った場合1 左の写真のように遠くの時計や風景はメガネを使わずに見ることができます。

しかし、携帯電話などの近くを見る時には老眼鏡が必要になります。

ピントを近くに合せて手術を行った場合

ピントを遠くに合せて手術を行った場合2 左の写真のように携帯電話など近くを見るときにはメガネを使わずに見ることができますが、遠くの時計や風景を見る時にはメガネが必要になります。

多焦点眼内レンズ手術の場合

ピントを遠くに合せて手術を行った場合3 遠遠距離と近距離に焦点が合うように設計されており、 従来の単焦点眼内レンズに比べ、遠くにも、近くにもメガネなしで焦点が合いやすくなります。
左の写真のように、近くの携帯電話や遠くの時計、風景にもピントが合うようになります。

しかし、若い頃のように、見たいところに焦点を自由に合わせられるわけではないので、遠くと近くの中間の位置などが見にくい場合があり、メガネが必要となることもあります。   
また、近くと遠くに焦点を分散させる分、どちらも少し感度が落ちると言われています。細かい文字を読んだり、長時間読書をする時にもメガネをかけた方が楽な場合もあるでしょう。